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団体の目的 | この法人は、薬物依存症をはじめとする依存症を抱える方、また、これに類する症状の方、及び、その家族に対して回復を支援し、薬物等の乱用防止に対する普及啓発、及び相談援助活動に関する事業を行い、広く健全な社会生活と地域福祉の増進に寄与する事を目的とする。 |
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団体活動・業務 | 【(1)薬物依存症を始めとする依存症者などに対するリハビリテーション施設の設置・運営事業】 各種プログラムを通して、ダルクではスタッフ(職員)が入寮者の薬物乱用を止めさせるといった「治療者=患者」の関係性はありません。スタッフもかつては、薬物依存症に苦しみ、ダルクの活動を通して薬物依存から脱却した、いわゆる回復者スタッフであるため、今まさに薬物依存に苦しんでいる入寮者は、「患者」ではなく「仲間」と捉えています。スタッフは「仲間」のサポートを行うことで、自分の経験をフルに生かすことができ、また同時に自身の回復のプロセスを進めることに大いに役立っています。ここでダルクの運営上の特徴をまとめると次のようになります。 ・回復者がスタッフとなり、仲間のサポートをするセルフヘルプ機能を持っていること。 ・自助グループの12ステップをベースとしたグループミーティングがプログラムとしての活動の中心であること。 ・刑務所、精神科病院、そして家庭および地域をつなぐ中間施設としての役割を担っていること。 また、今まで活動拠点のなかった中国地方におけるアウトリーチ(当事者がいる場所へ赴き、必要な情報やサービスを提供すること)は、当ダルクで最重要視している活動です。今後もこうした活動を通し、ここ中国エリアにおいて人材が育成され、次の活動拠点が生まれ、今まさに苦しんでいる人たちに回復の手が差し伸べられることへとつながります。 【(2)薬物依存症を始めとする依存症者及び家族などに対する相談・支援事業】 今までたとえ薬物問題について相談できる行政の窓口はあっても、あまり広報されておらず、どこに相談に行ったらいいか分からなかった相談者が多いことに驚かされます。 また、鳥取ダルク・岡山ダルクは中国エリア全体をカバーしているため、広範囲の活動をせざるを得ません。特にこうした地方にいる場合、家族が当事者を専門の治療機関につなげるための情報があまりにも乏しく、長い期間当事者を抱え込んでしまい、病気の進んだ依存症者が多いのも特徴の一つです。そういった状況下での相談内容はかなり深刻で一刻を争うようなものも少なくありません。 現在、中国地方に薬物依存症者家族会は少なく、この広いエリアでどこに相談したらよいのか分からず、苦慮している家族は、相当数おります。ダルクと連携している薬物依存症者家族会は全国にありますが、この地域に住み、現在薬物を使っている当事者と向き合っている家族は、その対応に追われ、相談相手もないまま手放しできない状況で苦しんでいます。その様な環境の中、当地でも全国薬物依存症家族連合会の援助を受け、岡山家族会(ぴあの会)が平成21年9月12日より岡山市内にて開催されるようになりました。岡山ダルクとして運営母体は異なりますが、地域の家族の方々への支援をするために、岡山家族会への支援と協力をし、相談などに積極的に対応しております。 【(3)薬物依存症を始めとする依存症者などに関する研究・研修事業】 ・当ダルク・フォーラム開催やアディクション・フォーラムの開催及びびわこダルク等の各地ダルクで開催されるイベント・薬物依存症者家族会・研修会への参加。 ・薬物依存症者の実態調査に係わる各機関への情報提供。 【(4)薬物依存症に関する教育及び啓発活動事業】 これまで行った小・中・高等学校での講演活動を通し、地方における薬物問題の認識には、共通して、対岸の火事的な見解が多くみられ、あまり薬物依存症に対する危機感を持っていない実状があります。 昨今、薬物の入手方法が容易になり、薬物依存症者の低年齢化が進むなか、当事者が自分の体験を語ることで学校へメッセージを運ぶことは、薬物の恐ろしさや、嗜癖行動から生じる諸問題を受けとめていただく大事な機会となります。また、薬物依存症から生じる家族問題や人格形成に与える影響を訴えることにより、地域での薬物乱用防止活動の一端を担っています。 また、刑務所へのアウトリーチは、ダルクの重要な活動の一つです。スタッフが刑務所に定期的に出向き、当事者の前で自分もかつては薬物依存に苦しんでいたこと、ダルクとの出会いによって回復の道を歩んでいることを伝えます。こういった人たちの受け皿をもダルクは積極的に担っています。 平成15年5月に「刑事施設及び受刑者処遇法」(かつての監獄法)が全面改正され、「麻薬、覚せい剤、その他の薬物に対する依存がある受刑者」に対しては、改善指導を行うことが義務付けられたことにあります。この法改正がきっかけとなり、法務省よりダルクに対して刑務所内での薬物依存に関する教育内容の充実が要請されるようになりました。 【(5)その目的を達成するために必要な事業】 |
設立以来の 主な活動実績 |
【NPO法人リカバリーポイント 鳥取ダルク・岡山ダルクの設立経緯】 「ダルク」(DARC-ドラッグ・アディクション・リハビリテーション・センター)は、日本のメリノール宣教会がアメリカ本部から資金援助を受け、アルコール依存症者の回復のためのリハビリテーション施設(MAC)を設立したのがきっかけとなり、当事者である近藤恒夫が1985年にアルコールだけではなく、薬物依存症者の回復施設の必要性をも痛感し、宣教師のロイ・アッセンハイマー氏と共同して設立したものです。 ダルクは設立以来30年を経て、現在では全国60施設以上を数える程に拡大しました。中国地方では在、「鳥取ダルク」、「岡山ダルク」、「広島ダルク」の3施設が拠点です。 鳥取ダルクは、2005年6月に、岩美町牧谷(山陰海岸国立公園浦富海岸)にあるカトリック教会大阪大司教区の建物を譲り受け、中国地方初のダルクとして設立されました。この施設は以前、教会の保養所として利用されていたために活動スペースは充実しており、自然環境にも恵まれた中で回復プログラムを実施しています。現在、2010年10月26日からNPO法人の法人格を取得し2014年に法人名をリカバリ―ポイントとして鳥取ダルク・岡山ダルク両方の施設を運営する法人としました。 【代表プロフィール】 千坂 雅浩(ちさか・まさひろ) 1960年、仙台市に生まれる。36歳で仙台ダルクに出会う。茨城、福島、秋田、九州ダルクでスタッフを務めた後、鳥取ダルクの代表に就任。2009年12月8日から岡山ダルクを開設し、鳥取・岡山ダルクの代表を兼任する。現在20~60代の入寮者の回復を支えている。 依存症者の家族に対しても2008年より全国薬物家族連合会からファシリテーターの認定を受け岡山家族会・ぴあの会で家族に対しても支援活動を行い現在は、鳥取県薬物乱用対策推進本部員、鳥取県地域依存症対策推進委員、岡山県依存症対策推進協議会委員、など依存症啓発活動や当事者・家族支援など精力的に活動を行っている。 |
現在特に力を 入れていること |
(1)依存症により精神障害者となった者に対し、当事者であるスタッフが、身体的、精神的、社会的な援助を行うと共に依存症からの回復プログラムを提供し、将来の自立に向けて、依存に頼らない生き方を身につける手助けをし、回復期間が伸びた者については就労支援も行って行く。 (2)回復のための場、環境、時間、仲間のモデルを提供し、NA(自助グループ)の提案する12ステップに基づいたプログラムによって、新しい生き方の方向づけを促し、各地のグループへ繋げていく。 |
今後の活動の 方向性・ ビジョン |
(1)NPO法人の広域化(回復プログラムの充実と法内施設移行準備)を進めることにより、就労支援の拡充を図る。また、依存症治療拠点機関設置運営事業の実施に伴う、本事業の協議会の設置により、関係諸機関と連携し、包括的な依存症治療を行う。 (2)次年度に向け、岡山ダルクにおいて法内施設移行のための準備(地域生活支援センター及び、グループホーム) |
代表者 | 千坂 雅浩 |
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所在地 | 岩美郡岩美町 |
設立年月日 | 2005年6月8日 |
電話番号 | 0857-72-1151 |
ファックス | 0857-72-1151 |
メール | tottori-darc@jewel.ocn.ne.jp |
URL | http://tottoridarc.com/index.html |
※この情報は、「canpan」から提供されたものを基本としています。